【バイヤー:ふじもと】
バロック好きな私が目を留めた、珍しい南洋真珠のバロック。
って、南洋真珠のバロック自体は珍しくもなんともありませんが、
これは訳アリ、レアものなのです。。。ふふふ
淡水真珠以外の真珠の多くは、核を入れて養殖します。
核というのは球体なので、そのまわりに真珠層が巻きついていき
比較的丸い真珠となるわけですね。
だから核を入れて養殖する南洋真珠はバロックといっても、
どことなく丸みがあって一部だけがアクロバティックな形をしているというわけ。
しかし、このバロックは違います。
平らな面が明らかにわかるカクカクとしたフォルム。
絶対に転がらない(笑)表面を持つ真珠。
これは、球体ではなく四角い核を入れて養殖した真珠なのです。
南洋白蝶真珠の大珠は、日本に限らず世界中から引き合いがあるため比較的高めの相場で安定しています。
ただ数年前に起きたリーマンショックの時は違いました。
真珠の値段が著しく暴落し、漁場側がどんな値段にしても真珠を買ってくれる業者がいなかったといいます。
そのくらい真珠価格が暴落してしまったとき、なんとかして真珠を買ってもらおうということで
様々な取り組みがされました。
そのひとつが、これ。
↑右下はラウンドの南洋真珠12mm
形を変えてみよう!ってことになったんですね、きっと(笑)
丸い核をいれるから丸になる、だから四角い核を入れれば四角くなるだろうという発想。
不景気でもある意味、たくましいですよね。
だけど真珠の母貝にとっては、ちょっとした迷惑。
ただでさえ異物である核が四角くなるのですから、真珠層を巻くために核を回転させるのも一苦労。
回転がゆっくりゆっくりになるのですが
ゆっくりになる分、真珠層の分泌が多くなり、結果、真珠層が厚く巻かれることになります。
だからこの珠もテリッテリなのです。
残念ながら・・・この珠はもう全く養殖はされていません。
真珠相場は比較的早く持ち直し、今までどおり丸い真珠を養殖したほうが高値で買われるので
漁場ももう変な努力をする必要がないんですね。
たぶんリーマンショック後の1年ぐらいしか作られなかっただろう、ある意味レアな真珠。
その中から、テリがよいものだけを十数粒買い付けてきました。
理由が理由だけに、再入荷は今のところございません。
(世界的な金融危機にならない限り・・・)
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