エドワーディアンとは、1901年に英国のエドワード7世が即位してから1910年の崩御までの期間を指しますが、ジュエリーの暦ではもう少し広い範囲がエドワーディアンとされています。
ヴィクトリア女王が公の場に姿を見せなくなり、皇太子だったエドワードと、アレクサンドラ妃のファッツションが注目されるようになった19世紀後半から、1914年にはじまった第一次世界大戦の頃までを指しています。
エドワーディアンのジュエリーは王侯貴族たちのための大振りで端正なデザインが主流。
この時代の特徴を一言でいうなら「白いジュエリー」ということ。プラチナが自由に加工できるようになり、プラチナの台座にダイヤモンドや真珠がセッティングされるようになりました。
プラチナの登場によって、金や銀に比べて少ない地金で宝石を支えることが可能になり、それまでの時代になない繊細でデリケートなジュエリーが生まれます。プラチナの板を糸鋸で切り抜いて透かし細工にするピアーシングという技法や、小さな粒状の細工を施すミルグレインなどの技術が発達、レースのように仕上げられたジュエリーは、大振りであっても軽く、しなやかな表情を持っています。
アイテムとしてはソトワールというロングネックレスやティアラ、ドックカラーのネックレスなどが流行しました。
大変に手の込んだエドワーディアン時代のジュエリーですが、第一次世界大戦が進んでゆくにつれ必要とされなくなり、姿を消して行きました。
戦後はハリウッドのスター達がトレンドを作っていく時代に変化して今日につながっていきます。
王侯貴族たちがトレンドセッターであった、正統派ジュエリーの最後の時代がエドワーディアンなのです。
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