長男の誕生石が、自身の心を常に高い位置に引き上げ続けるきっかけを作ってくれた。
それぞれの生まれ月の宝石には意味があり、これを身に着けていると幸せが訪れるという誕生石。
その由来は、旧約聖書の「エジプト記」に出てくるイスラエルの祭司長の胸当てにはめ込まれた12種類の宝石、そして「ヨハネの黙示録」中に理想郷として描かれた聖都の12 の城門の土台を飾る宝石に由来するものだと言い伝えられています。
ベーネでもご自身の誕生石をお選びくださるお客様が多いのですが、つぐみさんは、ご長男の誕生石がご自身の心を引き上げ、高めてくれるジュエリーとの出会いだったとお話しくださいました。
黒字:香坂つぐみさん
青字:ベーネ銀座サロンオーナー 内藤千恵
■人生で最初に自分で購入したジュエリーが長男の誕生石だった。縁を感じたから。
_______つぐみさんは、先日、美しいサファイアのペンダント、イヤリングをベーネでリフォームしてくださいました。
息子さんの誕生石だとうかがっています。
ご自身の誕生石を最初のジュエリーにお選びになる方が多いのですが、つぐみさんはそうではなかったんですね。
縁だったなと、今思い返しても、思うんです。
20年前の私に、最初のジュエリーとの縁をつなげてくれたのが息子の誕生石、ブルーサファイアだったんです。
_______何か素敵なエピソードが隠れていそう。
長男の入園式のために最初に揃えたかったんですね、とっても苦労した入園だったから。
かれこれ20年ほど前になります。
長男が生後5か月の時、札幌からいきなり東京への転勤だったんです。長女は幼稚園に入って、まだ2か月だったんです。
それも、わずか1週間での引っ越し。
気候も違うし、食べ物も違う。予防接種のシステムも違って病院もわからない。
とにかく、そんな環境だったから、髪を振り乱してって感じでした。
_______私も夫が転勤族でしたから、2年に1度の転勤で。
子どもたちは年子で、幼稚園も2回、小学校も3回転校でばたばた。
まさしく髪を振り乱してという感じでした。
今考えても、心の余裕がなかったなと。
そう。そう。だから私、長男が幼稚園に入った時に、自分にご褒美を買いたいって思っていて。
そしたら通りがかりのお店のジュエリーが目に留まったのね。
とってもきれいなブルーサファイアのネックレスで。その色が、頭から離れない。
2週間くらい、さまざま考えるわけです。
当時、私は長男の幼稚園のPTA役員をしていたんですね。
それも高い位の。(クスクス)
_______あっつ、PTA会長ですね。(クスクス)
(写真:つぐみさんの初めて購入した息子さんの誕生石サファイアのジュエリー リフォーム前)
そうなんです。
幼稚園の卒園式で、高い位の役員だったから(笑)、式でご挨拶をすることになっていたんです。
卒園式って紺のスーツがベーシックだった時代でもあって。
紺のスーツにも合うし、きちんと感があるしって。
2週間くらい買おうかなどうしようかなって迷っていて。
でも30万円か。。。って。
そしたら9月で、そのお店、誕生石がセールになったんですね。
たまたまその時、販売員さんが<サファイアは9月の誕生石です>って教えてくださって。
その時まで、自分の誕生石は知っていても、9月の誕生石が何かなんて知らなくって。
あっつ、息子の誕生日は9月。あっつ、これはご縁♪と思って買っちゃった。
_______降ってきましたね、ご縁!
この時、私、宝石を初めて買ったんです。
ダイヤの婚約指輪は夫からもらっていたんですけれど、自分で買うのは初めて。
しかも通りがかりで。
それまで髪を振り乱して子育てしていたから。
このサファイアなら、卒園式のご挨拶や役割に見合ったものだって。
半額になっていたので、もうスパッと!
そしたら次の週に同じサファイアのイヤリングが出ていて。
胸元にこのサファイアなら、耳元もあったら、ずっときちんとした感じになるって。
卒園式のご挨拶にふさわしいって。半年も先のことなのに、じゃあ、買っちゃえって。
_______すぱっといきましたね。
その時はお仕事していたんですか?
いえ、専業主婦だったんです。
でも、夫には事後承諾で。買ったわよ、くらいな感じで。総額25万円くらい出しちゃんたんですね。
_______主婦にとって、すごい金額ですよね。
そうなんです。でも、その時は金額じゃなかったんです。
私たち、バブル時代の申し子じゃないですか。
いけいけ~~、て感じ、体に残っていたんですね、きっと。
色とか輝きとか素敵で。
そのあと、このジュエリーに合わせてスーツを買って。
■その宝石に価値はあるかどうか、ということではなく自分の感覚を信じられた。いいものに違いないって。
_______宝石の価値とか基準とか、よくある話は気にならなかった?
私は、自分でジュエリーを買うのは初めてだったのだけれど、被服科を出ているんですよね。
この色ならこのお値段出してもいいなと思って。
父が料理人だったんです。道具の包丁とかすごく大事にしている姿を見て育ったので、これは良いものだと、感覚でわかったというか。
それで卒園式に使って、入学式にすぐに使って。大切な時に、ぴったりと私と一緒に、私に自信を与えてくれました。
役員のご挨拶も自信もってできました。
でも、その役員時代が終わるとしばらく箪笥の中で休眠。
箪笥の肥やしになっていたのね。
(写真:つぐみさん 今は発酵料理研究家として料理教室、発酵料理レシピ開発に忙し毎日)
■一つの役割が終わって、次の役割が出てきた。その時に、ベーネさんと出会えました。
そこから仕事を始めたんです。医療関係の仕事で、患者さんを傷付けたりしてはいけないから、ジュエリーは仕事中、身に着けられなくって。
そしたら、箪笥の中で眠りながら20年が経ってたの。(クスクス)
2年前、ベーネさんが会場になったキラキララビリンスの時に、たかねさんがジュエリーのリフォームもできますよ、ってお話くださって。
そういえば、箪笥の中に婚約指輪が眠っているなと思い浮かんで。
あーかわいそうかもって。
ベーネのジュエリーを見せていただいたら、宝石ってこんなに綺麗に輝くんだなと思って。
結構、いいもの私、持っていた気がして。
あ、箪笥の肥やしになっているから、まずはダイヤをリフォームしようと思ったの。
_______私たちの時代は、まだ婚約指輪が立て爪だったから。
なかなか普段に使いにくいですね。
私も婚約指輪は早々にリフォームしちゃいました。
リフォームしていただいたら、とっても素敵な出来上がりで、デイリーで使わせていただいているんだけれど、じゃあ、この子もリフォームしたいなって。
息子のお嫁さんにあげてもいいかなって思っていたんですけれど、デザインも、あの当時のデザインだから古く感じるし、喜んでつけないだろうなと思って。
リフォームでこんなに素敵になるなら自分で使おうって。
発酵料理の仕事が急激に進んで、自分でも覚悟を決めて発酵料理の伝道師となるべく道を選んだ時だったので。
お教室では、生徒さんたちにエプロンから出る胸元、耳元は目に留まりますから。
このサファイアが、進化する私のこれからに自然に寄り添っていたらいいなと。
(写真:ベーネのお客様からベーネ広報部長とよばれるめぐりんのアドバイスでセレクトしたデザインにリフォーム)
めぐりんのインタビューで裏番長ぶりをのぞく。
■いつも思い切ったお買い物をするときに、これってご縁よね、ということが出現するんです。
_______つぐみさんは、<縁>を大切になさってる。
縁を感じたときに、そこにジュエリーがあったって感じですね。
ベーネさんに出会ったのが、何か縁だなって感じて。
新しいものを買うのもいいんだけれど、歴史があってこの石、使いたいじゃないですか。
けれどデザインが古くて使えないじゃないですか。
それを生かしていただけるのはベーネだと思って。
そしたらめぐりンがこのデザインどうって。勧めてくださって。
これがいいわよって。スムーズに決まって。決まるときはやっぱりすぐ決まっちゃう。
デザインがちょっと若々しくなってきたなと感じたら、年相応のデザインにまたベーネさんでリフォームしてもらうから。
その時はお金もちょっとたまっていると思うから、ゴージャスにね。
_______生きているように頑張る!(笑)
■自分にご褒美は、背伸びしないと届かないこれからの自分の目標に近づくための援軍。背中を押してくれる。
年相応に変えていって、ずっと使っていきたいなって。
高いの買っておいて良かっ物から入る感じですね。
安いの買っていたら、ま、いいやって、もしかしたらどっかに行っちゃってたかもしれないし。
人にあげちゃっていたかもしれないし。
あの時、私、結婚が早かったから、今の娘と同じくらいの年齢だったの。
その時に数十万のお買い物したから。
あの時自分が頑張った自身があったから、いい!と思って。
_______自分にご褒美しちゃうって、素敵よね。
自分で決められるっていいよね。
等身大の自分のためのジュエリーではなくて、背伸びして目標に向かう自分への投資!
自分より身の丈の高いものを買っておいて、それがふさわしい人間になると決める感じ。
背伸びしないと身の丈に合わないくらいのものの方がいいよね。
そうじゃないと気合が入らない。
魂をそこに持っていくための目標みたいなものがジュエリーだと感じています。
でもデイリーなものも必要だから、気軽に身に着けられるものも欲しいし。
あっつ、この色!ってインスピレーションで買うときもある。
でも、そういうものも高いものと同レベルに大切にできるんですね。
ただやみくもに、わー綺麗、素敵~、長く使えそう、というんじゃなくて、その根拠をしっかりと持つというか。
物から入る感じですね。
料理もそうですね。
この包丁を買ったら、この包丁を使うにふさわしい料理を作れるようになろうとか。
_______磨ぎきれない包丁がある。
刃が付けられない。元が良くないから。でも、いい包丁はぐっつと刃が出ますね。
やっぱり良いものはいいよね。
料理の腕も上がるし、長く大切に使おうと思える。ジュエリーと似ていますね。
高いところを目指して行きたい。だから、節目節目は、自分を背伸びさせてくれるものを身近においておきたい。
その大切な一つがジュエリーなんですね。
息子の誕生石のこのブルーサファイア、私の成長とともにあって、私の変化に合わせて姿を変えていってくれる。
ジュエリーリフォームって、本当に素敵なことだと感じています。
誕生石の選び方って1つじゃないな。
大切な人の誕生石を身に着けるって、とっても素敵なこと。
母が亡くなって3年。毎日あわただしくて、寂しさにとっぷり使っている時間がなかったけれど、
母の誕生石、ジュエリーにしてみようかしら。
今日ね、こんなことあったのよ、みたいな日々徒然を母の誕生石に語りかけたりして。
誕生石ジュエリーって、なんだかとっても心に近い。
聞き手 編集:ベーネ銀座サロンオーナー 内藤千恵
香坂つぐみさん
日本発酵文化協会ワークショップ講師
発酵教室『糀キッチン』主催
<発酵食品サミット in やまなし>に企画から携わり、全国に発酵食品を発信する活動を行う。
健康、安全な食を伝えるため、幼児離乳食の教室も連日満席。
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