About us私たちについて
Esquisse- エスキース -
それは、ベーネがジュエリーデザインをするとき
とても大切にしていることです。
これは建築用語で「ラフな素案」、美術用語では「素描」を意味します。
地球上に現れる森羅万象。
ベールのように私たちを包み込む光、清らかに流れる空気、
そよぐ風、とどまることなく流れ、湧き上がり、ほとばしり出でる水。
それらを「エスキース」という形でとらえて、ジュエリーで表現する。
ジュエリー作りの中で最も大切なのは、
お客様のジュエリーに対する思い、願い、希望。
お客様の心の中の大切なこと、大切な思いや個性、それらをきちんと丁寧に伺い、
直接的な表現ではなく、ディテールに忍ばせるような、そっとしみこませるような、
そんな感覚でジュエリーを作ります。
コンマ数ミリという単位を真剣に考え、形にする。
それを身に着ける人は、そこに美しさを感じる。
そしてその感情は、魂となってそのジュエリーに宿る。
21世紀に生きる私たち。
現代社会で培われた「ものを見る鋭い目」を持ちながら、
豊かな感性でクリエーションしていくドリームメーカーでありたい。
これが、私たちベーネのジュエリー作りです。
Techniques & Design技術とデザインについて
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デザイン
ベールのように私たちを包み込む光、清らかに流れる空気、そよぐ風、とどまることなく流れ、湧き上がり、ほとばしり出でる水。これら地球上に現れる森羅万象をエスキースという形で捉えて、描き込みすぎないようにラフ画で表現していきます。
その内側から放たれる石の色は、どの石の色と合わせるとより際立つのか。
石のディテール、デリケートな発色に心の眼を傾け、石の言葉に耳をすます。
これが、ベーネのジュエリーデザインにおいて大切にしている基本です。 -
CAD
デザイン画が完成した後、CADによる原型作成を行います。
伝統的で精緻な技術、そして最新のテクノロジーであるCADシステム・スキャンシステムを融合させ、デザイン画を立体化します。
この段階でデザインの再現のみならず、実際の製作過程で磨きが隅々まで入るか、爪の強度、隣り合う石との接点の強度など、CAD職人の感性、技術を注ぎ込みながら細部に至るまでチェックします。 -
彫り
タガネと呼ばれる鋼で出来た工具を使い、地金に彫りを入れていく技術のことを「彫金」といい、彫金には「和彫り」「洋彫り」と呼ばれる2種類の技術があります。
和彫りは、タガネを小さな金槌で叩きながら手前に掘り進めていくことで、太さの強弱や勢いのある線が深くはっきりと刻まれます。地金を叩くたびに輝く面が生まれ、陰影を感じる仕上がりになります。
洋彫りは、タガネを彫刻刀のように使い、手の力だけで彫り込んでいくため繊細な線を得意とし、細かな模様を生み出すことに長けています。一気に大きな面を削るため、シャープな輝きが生まれます。
ベーネでは、和彫りと洋彫り、両方の技術に長けた熟練の職人である川口和寿氏により、2つの彫りを組み合わせた独自の技で最高の細工を生み出します。 -
石のカット、研磨
カットと研磨の技術は、宝石の美しさの要です。
何千年、何万年という長い年月をかけて形成された鉱物は、人の手によりカット・研磨され、美しい輝きを放つ宝石になります。
原石をどの方向に切り出すか、そして切り出したカット面をどのように組み合わせるかで、美しさは格段に変わります。
このカット・研磨の技術により、素地が内側に抱える豊かな発色、デリケートな色の重なりを引き出し、浮かび上がらせ、煌きの粒に変えます。 -
石留
マイクロスコープで手元を拡大しながら、石に合った爪の長さを整えます。
カラーストーンは、1ピース1ピース、それぞれ色の宿り方が違います。どの方向にセットするのがその石の発色をより際立たせ、美しく魅せられるのか、ここが一番の焦点です。
石の硬度に合わせて石留の方法や道具を使い分けながら、石に施されたファセットにぴったりと合うよう、石の向き、爪の長さや位置を調整します。 -
磨き
キャストから上がってきた地金下地に、職人が数種類の道具を使い分けながら磨きを入れます。この時、微細な「ス」という傷を拡大ルーペをのぞきながら丁寧にチェックし、道具を動かします。
道具を自身の手、感覚と連動させることができる職人の磨き技術が、ジュエリー作成過程最後の重要なポイントになります。
Column
切磋琢磨の職人芸
19世紀、イギリス産業革命による大量生産によって、それまでには考えられなかったほどの商品が供給されると共に、多くの粗悪品が市場に出まわりました。
そんな中、古き良き時代の熟練職人による、質の高い工芸品に回帰しようという運動が起こります。
それが、「アーツ・アンド・クラフツ運動」。
イギリスの詩人であり思想家でもあるウィリアム・モリスは、中世のものづくりに対し、手仕事に帰り、芸術と生活の融合を唱えます。
そして、それは後にモダンデザインを生む下地となりました。
このことから、ベーネでは中世のものづくり、その技術を大切に考えています。
それが、未来の美を作るベースになると信じているから。
職人の仕事、それは、無機質な素材に命を吹き込むということ。
ベーネのジュエリーは、中世のものづくり、その技術を大切に受け継ぎ、現代の技術と融合させています。
宝石という、素材そのものの持つ価値にふさわしい技術こそがジュエリーの命であり、それを成し得るのが職人のプライドです。
地球の奥底で気の遠くなるような年月の中形成された塊は、無機質な鉱物として地上に現れる。
そして、職人の手によリ磨かれ、再び命を得て輝きはじめます。
地球の何千年、何万年という記憶を持ったこの宝石にふさわしい技術を、切磋琢磨で磨き上げる。
それを身に着けた人の生活の中で、長く輝き続けるように。