(写真:VOGUE)
2017年春、映画『ジャッキー/ファーストレディ 最後の使命』が公開されます。
30年ほど前に、ジャッキーことジャクリーン.ケネディの所有していたジュエリーの公式レプリカを日本に紹介するイベントで司会をさせていただいたことがきっかけとなり、ジャッキーの、その品格ある美しさに魅了され続けてきました。
2017年の映画公開に伴い、もう一度、ジャッキーことジャクリーン.ケネディの愛したジュエリーをまとめてみることにしました。
目次
ジャッキーこと、ジャクリーン.ケネディーの愛したジュエリー。
ジャッキーことジャクリーン.ケネディってどんな人?
“ジャッキー”の愛称で親しまれ、今なお高い人気を誇るファーストレディ「ジャクリーン・ケネディ」は、第35代アメリカ合衆国大統領ジョン・F・ケネディの夫人。
1961年から1963年までアメリカのファーストレディでした。
ケネディ大統領暗殺の5年後、ギリシャの大富豪アリストテレス・オナシスと再婚。
ジャクリーン・ケネディは単なる大統領夫人という枠を超えて、ファッションアイコンとして世界の女性の憧れとなりました。
ジャッキーことジャクリーン・ケネディは、常に帽子から手袋、そして最も注目のジュエリーまで、常にトレンドセッターでした。
シンプルなシフトドレス、ピルボックス帽子(小さい円筒形の縁なし帽子)、スカーフをヘアに巻きつけたエレガントなスタイル、オーバーサイズのサングラス、そしてピーコートなど、あらゆる世代の女性たちに影響を与えたそのスタイルは、上品で洗練されたファッションとして、今でも女性たちの素敵なお手本。
(写真:BAZAAR)
2017年春、映画『ジャッキー/ファーストレディ 最後の使命』が公開されることで、また再び、ジャクリーン・ケネディの洗練されたスタイルが話題になりそう。
そこで、私はジャッキーことジャクリーン.ケネディが愛したジュエリーの数々をご紹介したいと思います。
■ジャッキーこと、ジャクリーン.ケネディーの愛したジュエリー【パール】
ジャッキーことジャクリーン.ケネディのジュエリーといえば、真っ先に挙げられるのが3連のパールネックレス。
けれど、これはガラス素材でできています。
大統領夫人とは思えない質素な感性ながら公のレセプションなどでは見事に大統領を引き立てていました。
じゃらじゃらと重ねるシャネルスタイルの継承にとどまらず、きちんときれいに3連になるように、わずかな隙間を空けて重ねるそのスタイル。
なんとも品よくエレガントです。
(写真:A Thousand Days of Magic: Dressing Jacqueline Kennedy for the White House)
ジャッキーことジャクリーン.ケネディが愛したオレグ.カッシーニのデザインしたドレスにも、3連のパールネックレス。
オレグ・カッシーニのデザインしたジャッキー・ファッションはアメリカ国民を魅了して、「史上最も華やかなファーストレディ」のイメージ作りに一役かったといわれています。
上の写真からも、ジャッキーことジャクリーン.ケネディは、子どもと過ごす日常、ファーストレディとして公式な場、家族と過ごすプライベートな時間でも、この3連のパールネックレスを大切に身に着けていた様子がわかります。
■ジャッキーこと、ジャクリーン.ケネディーの愛したジュエリー【モチーフジュエリー1】
ジャッキーことジャクリーン.ケネディは、自ら絵を描き、その絵に合ったジュエリーを作っていました。
そう、ジュエリーを自らデザインしていました。
それは、彼女の祖母が、ヨーロッパの博物館の絵画に描かれたジュエリーと同じものをオーダーしてジュエリーにしていた、という習慣を受け継いだのかもしれません。
今から21年前、1996年4月23日~26日に、サザビーズは、ジャクリーン.ケネディーの不動産を売却する、最も歴史に残るオークションを開催しました。
3日間の売り上げ総額はなんと3.450万ドル。現在の日本円で40億円。
この時のオークションカタログは584ページ。
そのうち、329ページがジャッキーことジャクリーン.ケネディーの宝石でした。
■ジャッキーこと、ジャクリーン.ケネディーの愛したジュエリー【モチーフジュエリー2】
(写真:Jackie Kennedy’s Jewelry)
このブローチは、1960年11月27日に誕生したケネディジュニアのお祝いに、ケネディがジャッキーに贈ったもの。
ジャッキーことジャクリーン.ケネディにとって、このジュエリーは最も大切な財産となりました。
ケネディはジュニア誕生の時に新しい大統領選のさなかでしたが、ジャッキーのためにこのブローチをオーダーする時間を作り、ニューヨークまで出向きました。
ケネディーが新大統領就任10日前、1961年1月10日、ケネディーこのブローチをジャッキーことジャクリーン.ケネディに贈りました。
彼女はとても喜び、ファーストレディとして初めてのカナダに外遊したときも身に着けていました。
多くのジュエリーがケネディ家を離れましたが、このブローチは、JFK図書館の常設展に展示され、今だ長女のキャロラインが所有しています。
ケネディ家にとって、それはそれは大切な思い出のジュエリーなのでしょう。
■ジャッキーこと、ジャクリーン.ケネディーの愛したジュエリー【エタニティーリング】
(写真:Jackie Kennedy’s Jewelry)
このリングは、1963年、結婚10周年にケネディからジャッキーことジャクリーン.ケネディに贈られたものです。
ケネディはこのリングをVan Cleef and Arpelsにオーダーしました。
結婚の1年1年を1ピースのエメラルドになぞり、10石のエメラエルドがセットされています。
そしてデザインは、永遠を意味する途切れのないフルエタニティーニティーデザインです。
いつもジャッキーは、この指輪を結婚指輪に重ねて身に着けていました。
ジャッキーは、1972~1973年に、このリングから2ピースのエメラルドを外し、2本のリングを長女キャロラインと長男ジョンのために作りました。
現在、この3本のリングはキャロラインが所有しています。
■ジャッキーこと、ジャクリーン.ケネディーの愛したジュエリー【最後のプレゼント 】
(写真:Jackie Kennedy’s Jewelry)
とても悲しいことに、1963年8月、ケネディとジャッキーは長男パトリックを失いました。
この経験は、2人を強く引き付けることになり、お互い、プライベートの時間をより多く作るようになりました。
ケネディはジャッキーと過ごす未来の時間を大切に考えるようになりました。
ケネディは、その年の10月に、ジャッキーへの特別なクリスマスプレゼントを計画します。
彼はニューヨークのVan Cleef and Arpelsに大きなクンツアイトを20石のダイヤモンドで取り巻いたリングをオーダーしました。
ケネディは、ジャッキーがピンクを好きなことを知っていて、このダイナミックなピンクの発色に、新しい、これからの大切な気持ちを重ね感じ、この大きなクンツアイトを選んだのでしょう。
このリングには、素敵な彼のメッセージが込められています。
これまで過ごしてきた大切な10年と、これから迎える未来の10年を20ピースのダイヤモンドに託したのです。
11月初旬、ケネディはジャッキーに手紙を書き、このリングと一緒に秘書に預けました。
けれど、このリングと手紙を彼はジャッキーに直接手渡すことはできなかったのです。
数週間後に、彼はダラスで暗殺されてしまったからです。
ケネディの死後、リンカーン夫人がこの指輪と手紙をジャッキーに届けました。
その時、ジャッキーは、それが愛する夫からの最後のプレゼントだと知ったのです。
ジャッキーは一年間喪に服し、ほとんどジュエリーを身につけることはなかったけれど、ジャッキーはいつもこのリングと一緒にいました。
(写真:クンツアイト ベーネ銀座サロンコレクショ)
ジャッキーことジャクリーン.ケネディが、ケネディから最後に贈られた宝石、クンツアイト。
1902年に(1877年頃とする資料も)カリフォルニアで発見されたクンツァイトは、ティファニーの伝説的な主席宝石鑑定士にしてジェムストーンの命名者としても有名な、ジョージ・フレデリック・クンツにちなんで名づけられました。
詳しいクンツアイトの説明を、ぜひこちらからお読みください。
ジャッキーことジャクリーン.ケネディはこよなくジュエリーを愛していました。
このブログを書きながら、ジュエリーは、やはりただの装飾品ではなく、心、魂、思いの込められたものだと強く感じます。
ジュエリーは、未来永劫、その輝きを失わないものです。
人の命には限りがあるのに、ジュエリーのその寿命は、私たちのそれをはるかに超え残り続けます。
ただ素敵なのは、そのジュエリーに込められたメッセージや、残された記憶。
私も、【記憶の継承】のできるジュエリーを、これからも作り続けていきたいと感じています。
(ベーネ銀座サロンオーナー 内藤)
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