黒字:田中恵子さん
青字:ジュエリーコンシェルジュ 渡邉紀子
■恵子さんのお父さんは「赤ちゃんに好かれちゃう、おじいちゃん」。
_______恵子さん、お父様のこと大好きですよね??
亡くなってから思うことも、生前から思っていたこともあると思うのですが、特別にお父様に対しての想いとかありますか?
その生き方とか家族を愛する姿勢とか、褒めて育てるとか?
私は絵描きなので、もちろん小さいときから絵も習っていました。
でも絵を描くだけじゃなくて、庭でお城作ったり、城壁作ったりって子ども好きじゃない?
そういう泥遊びするときも、私が上手にできると、父はすっごい褒めてくれるんです。
ものを作ることの楽しさを自然と感じるように教えてくれるというか、父みずから楽しんでくれる、そんな人でしたね。
教育者なんです。
こども漫画は情操教育の一環だ。上質なもの。子どもの心が豊かになって希望が持てて、そういう夢を与えて、いきいき優しい子どもに育つようにというふうに認識していつも漫画を描いていたんですね。
だから実際に、自分の子どもをそういうふうに育ててくれた感じです。
_______いまの私にグサグサきますね(汗)
私、ほんとに子どもと遊ぶの下手すぎて。
子どものやる気を引き出すじゃないけど、恵子さんのお父様って、
わぁー嬉しいっていう気持ちを自然と湧きおこさせてくれるような接し方だったんでしょうね。
あーーきっとそうだと思います。
子どもの心のまま大人になり、子どもの心のまま年をとって、80過ぎても心は青年みたいな感じでした。
買いものに行くときもね、ところどころ途中のベンチで休むんですよ。
そうすると、なんかねいつも赤ちゃんが寄ってきて、赤ちゃんが父と遊びたがるの(笑)
赤ちゃんにモテちゃうおじいちゃん。
その話をよく母といまもするんだけど、
「あ、そっか、この人の魂は子どもの魂だ。」っていつも思うの。
_______子どもを持ってから思うのですが、
子どもって、自分と遊んでくれそう、わかってくれそうって、本能でわかるんだなって思います。
ぴぴぴぴぴって。
赤ちゃんはしゃべれないから、大人が退化してしまっている「なにか」を感じるんでしょうね。
子どもの魂をもったおじいちゃんだったから、赤ちゃんに好かれたんでしょうね。
■命日って「仏様に生まれた日」。ある意味、それは誕生日なんです。
_______誕生日石っていう考えとか、「命日=仏様に生まれた日」みたいな考えってお持ちでしたか?
ちょうどピンクジルコンを紹介してたベーネさんのページを見てたら、3月25日の誕生日石だって書かれてたの。
3月25日って、ちょうど父の命日なのね。それでピンクジルコンを身に着けたくなったの。
だから誕生日石っていうより、その日の石だからピンクジルコンって感じでしたね。
その後、3月25日の誕生日石がピンクジルコンだという話をふと内藤さんとしたときに
「命日は、仏の世界への誕生日。」って言われたんです、LINEで(笑)。
じゃぁこれをちょうど3回忌の命日にオーダーしにきたら、父の命日がまた思い入れのある素敵な日になるなぁと。
ジュエリーだとその後身に着けることができて、父がいつもそばにいてくれるそんな感じがしていいなぁと思ったのです。命日は特別な日ですけれど、いつでも一緒に父といたいからジュエリーにして身に着けたいって思っています。
私が絵を描くことや居合いをやることも、父から受け継いでいることで、
特別というよりも、自分のDNAにあるとか、そういうふうに育ってきて自然と父がやってきたことを
受け継いでいることということ。
ジュエリーは、その象徴的なものなんです。
そうじゃなくても父がやってきたことをやっている。
父はここにはいないけれども、父が私の中に生きているっていう感じですね。
■そんなお父さんに一番影響を受けたこと。お父さんが始祖である柔心流 居合道の3代目に就任。
_______お父様から特別、影響を受けたなぁって思うことがあったら教えてください。
ちょうど、おととい柔心流 居合道*の3代目になりました。
*居合道は日本刀の操法を通した、剣の理法の修錬による人間形成を目的とする武道。
静中動あり、現在日本刀を直接使用する居合道は、一つの心の乱れも許されない数少ない武道であり、心身鍛錬の道として剣道と表裏一体の関係にあります。
父は柔道をやっていたので武道の心得があって、とてもいい居合をやる人だったんです。
純粋な武道の精神を貫きたいということが一番の理想とするところにあって独立したんですね。
父から受け継いでいるもの。武道も仏道も、道って哲学だなということ。
「道を求める」ってことなので、ほんとうの武道精神を持って道を修める、そういう流派でなくてはならない。
ということで私が3代目になりました。だからこのインタビューはタイムリーだなぁと思いました。
3代目になるにあたり柔心流 居合道の心構えみたいなものを書いていたんですね。
そうすると小さい頃からずっと父に教えられてきた精神そのままが、文章になるの。
父から武道を習ったこともほとんど無いし、ましてや居合いも習ったことがないんですよ。
だけど、精神的なことをずっと教えてきてくれてたんだなぁって思います。
私の一番の理解者だったし、
いまになって文章で、父が教えてくれたことを柔心流 居合道の心構えとして書くというときに
私は父の教えてくれたことをちゃんと受け止めてきたんだなぁって、そんなことを感じられて。
そういう時期がきたんだ。
私の心構えがピタッと決まったときに、この誕生日石の話をすることになって縁だなぁって思います。
_______お話しを伺っていると、このピンクジルコンは恵子さんがお作りになったジュエリーなのですが、
まるでお父様から譲り受けられたもののように感じます。
このピンクジルコンに、お父様が教えてくれた精神とか、恵子さんが受け継いだもの全部が宿っているかのようですね。
恵子さん、お話しありがとうございました。
聞き手・構成 ジュエリーコンシェルジュ 渡邉紀子
田中恵子
画家(ルネサンス技法)
ベーネデビューは2014年11月。
フルオーダーデビューは2015年12月。
2017年4月絵画作品展「グリーントルマリンの森 変奏曲」(開催終了)
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