真珠の歴史は古く、古今東西でさまざまなストーリーが生まれました。
その神秘的な成り立ちから、月の女神とも呼ばれ、クレオパトラ、メアリー一世、西太后などなど時の権力者に愛され、華やかな女優たちを飾り、思わぬ事件をも起こしてきました。
そんなドラマティックな真珠の物語。これを読むと、「自分らしく真珠を装うヒント」にきっとなるはずです。
目次
■真珠を愛したスター、歴史上の人物/6月の誕生石パール
【グレース・ケリーの愛したパール】
1950年代にハリウッド女優として活躍し、モナコ王妃となったグレース・ケリー。パールの代名詞といってもいいくらい、実際パールが似合うといえばグレース・ケリーの名前がよく上がりますね。映画「裏窓」での一粒のパールのピアスとネックレスがとても素敵。
クラシカルな美しさを放ち、優雅で気品を持つ彼女。真珠は「クールビューティ」な彼女の気品をさらに際だたせますね。モナコ公妃となった理由のひとつにもなりそうなほど、真珠が似合う人。
実際、彼女は「豪華なジュエリーは昼には似つかわしくない」という考えから、昼間コーディネートするジュエリーはパールだけだったことでも有名です。
出展:http://www.fujingaho.jp/lifestyle/pearl_170428
【マリリン・モンローの愛したパール】
ジョー・ディマジオは日本での新婚旅行にて、マリリン・モンローへ44個の養殖真珠が付いた16インチのネックレスをプレゼントしました。日常生活ではマリリンは宝石にあまりこだわりがなかったらしく、生涯唯一大事にしていたのはこの美しい真珠のネックレスだったといわれています。
【ジャッキーが愛したパール】
「史上最も華やかなファーストレディ」として人気のジャクリーン・ケネディが愛用していた3連のパールネックレス。実はガラス素材です。気軽に着けられることから、公務だけでなくジャッキーが、実にさまざまなシーンで着けている写真が残っています。
ファッションアイコンとして記憶に残るスタイルは、フェイクパールを愛したココ・シャネルにも通じるところがありますね。
【真偽のほどは?盗まれたパール】
2013年アカデミー助演女優賞に輝いたルピタ・ニョンゴ。彼女が授賞式に着たカルバン・クラインのドレスには6,000個のパールが!!総額1800万円とも言われるゴージャスなドレスに、うっとりですね。
でも、ひょんな事からこのドレスが盗まれてしまう。そしてもっと不思議なことに、盗まれたドレスが1週間後に泥棒から返却される。「ホンモノの真珠と信じてたのに、全部ニセモノだった」という伝言とともに!
真偽のほどはいまもわかっていない。
でも6,000個のパール、ひとつひとつ縫い付けるだけでも気が遠くなりそうだから、ホンモノでなくてもこのぐらいのお値段するのかしら。いずれにしろ庶民の私には検討もつきません(笑)
■真珠が印象的に登場する映画/6月の誕生石パール
出典:http://images.ciatr.jp
【ティファニーで朝食を】
その装いは、仕立のよい黒のイブニングに黒のサングラス、首には真っ白な極上の三連の真珠が巻かれている。手には、純白のショールと、ファーストフード店の紙袋。
ホリーは生き方にスタイルがあるように、宝石にも美学があった。ダイヤモンドはまだつけないのだ。お気に入りの宝石は今のところ、真珠だ。まだ若い自分を一番ひきたててくれる宝石だと思っているようだ。
「40にならないのにダイヤなんか身に着けるのってみっともないもんよ」
岩田裕子著 恋するジュエリ スターが愛した宝石たち より抜粋
【真珠の耳飾をした少女】
真珠を題材にした絵画で最も有名なものは、オランダの画家フェルメール作「真珠の耳飾をした少女」。マウリッツハイツ美術館所蔵。
モデルに諸説あり、いまだ謎のままです。2003年にスカーレット・ヨハンソン主演で映画化もされましたね。
■歴史、言い伝え、神話のなかの真珠/6月の誕生石パール
【ギリシャ神話のなかの真珠】
ギリシャ神話では愛と美の女神アフロディテが海の泡から誕生をした時に、体から払い落とされた泡の水滴が海に沈み、彼女のように美しく輝いた真珠になったといわれています。
ヤーコプ・ヨルダーンス《クレオパトラの饗宴》
【クレオパトラが愛した真珠】
世界三大美女とされる古代エジプト女王クレオパトラは、愛人になったアント二ウスの気を惹くために酢にとても希少な天然真珠を溶かして飲んだという有名な伝説があります。
ただ、真珠は酸には弱いのですが一瞬で溶けるようなものではありません。なので、本当は、溶けたようなふりをしながら、ワインと一緒に丸飲みにしたのではないかと密かに私は思っています(笑)
【その他の有名な真珠の言い伝え】
・古代インドの伝説によれば、自然の精霊たちが神に贈り物をしたといいます。
大気は虹を、火は流星を、大地はルビーを、そして海は真珠を捧げました。真珠は神の胸に宿り、その心となったといわれます。
・中国・明朝末期(17世紀)の学者が書いた技術書「天工開物」には、
「中秋の名月の夜、月が中天にかかると、真珠貝は海面に浮かびあがって、貝殻を開く・・・」そこに月の光が差し込んで、真珠になるのだ、とあります。
■世界的に有名な真珠/6月の誕生石パール
【ホープ・パール】
19世紀に発見され、世界で最も有名な宝石のひとつであるホープ・パールは11.43×5.08cmの細長いドロップ・ウオーター型をしていて、450カラッ ト(90g)の重さがあります。
ホープ・ダイヤモンドで有名なロンドンの銀行家ヘンリー・フィリップ・ホープが最初に所有したことからこの名前が付きました。
不吉な言い伝えが多いホープ・ダイヤとは違い、ホープ・パールは真珠の上には数々の宝石が付いた豪華な王冠がのせられていて「真珠の女王」といった感じですね。現在は英国自然歴史博物館に展示されています。
【約9億4千万円で落札された真珠「ラ・ペルグリーナ」】
この真珠は、孔雀の卵ほどの大きさで、洋ナシ型、重さは59.96カラット。パナマ湾周辺の島で見つけられ、当時のスペイン王フェルナンド5世に献上されました。
やがてフェリペ2世の手に渡り、1554年には、彼の婚約者であるイングランド・チューダー王家のメアリー1世へ、結婚の贈り物とされました。メアリー1世の肖像画に多数残っているので、おそらくメアリー一世はかなりお気に召したよう。絵に描かれているものがいま、現実として存在するって凄くないですか?
その後、リチャード・バートンが英国貴族から購入し、1969年に、エリザベス・テイラーにプレゼントしたのです。エリザベス・テイラーは、この真珠をペンダントにするために、カルティエのデザイナーと共にデザインを手がけたそうです。でも、こんなに素敵な真珠なのだからゴージャスなデザインにしなくても良かったのでは?と思うのは私だけ?
まとめ
歴史上の素晴らしい真珠はさておき、女優がプライベートでも愛した真珠や映画で見せるコーディネートには参考になるスタイルがたくさんありますね。グレース・ケリーほど首が細くなくても似合う真珠はたくさんあります。
着けるだけでクラシカルで品の良さがにじみ出る、そんな真珠にぜひ出会って下さい。
「そもそも真珠って、どういう宝石なの?」という方は→こちらもお読みくださいね。
ベーネ銀座サロン
Facebookコメントはこちら