BeneBene's Contens

銀座サロン発ジュエリー工房ベーネベーネの楽しいジュエリーライフ

この人に聞く!




<たまたま>がいつも新しい道が開ける糸口。作詞家、脚本家 葉山真理さんに聞く

青:ベーネ銀座サロンオーナー 内藤千恵
黒:作詞家.放送作家.脚本家 葉山真理

真理さんとは,いつも遊んでいるときにしか、お目にかかっていないので、真理さんのお仕事のことを伺うのは、実は今日が初めて。
パーティーなどで会うと、何故か、いつもお隣の席。お勉強会でもお隣。
あんなにたくさんのお席があるのに不思議。
パーティーで素敵な音楽が流れてくると、私は踊りたくなって、そんな時、真理さんと目が合って<踊っちゃおうか♪>って、二人で立ち上がっちゃう。
真理さんの、なんとも柔らかな透明感に触れたくて、インタビューをさせていただきました。

■<たまたま>がいつも新しい道が開ける糸口でした。

_______ NHK BSプレミアムで放映されたドラマ<鴨川食堂>は、13年ぶりにショーケンこと萩原健一さんが出演され、主演が忽那汐里さん。岩下志麻さん、吉沢悠さんなども出演され、とても評判でしたね。
企画および、1話、2話、最終回8話の脚本を真理さんが手がけていらっしゃる。
本も大ブレイクですね。
本が話題になったから、TVドラマになった、という経緯ですか?

いいえ。
本屋さんや関係者を招いてのブックフェアがあったんですが、そこで、まだ表紙も白黒で、発売前の試し刷り状態の、たまたま目に留まった作品があったので、よくよく見たら、それがお知り合いの歯医者さんで小説家でもある柏井壽さんが書いたものだったんです。
立ったまま、ずっと読んでいたら、原稿は作家さんがまだ最終稿を書いている途中ですけれど、お持ちくださっていいですよと言われて。

_______わ~、不思議な偶然。素敵なたまたま!

コピー原稿を持ち帰って読んでみたら、これが本当に面白い。
そこで、早速、柏井さんに<これ、NHKのドラマに提案してもいいですか?>と、連絡したんです。そしたら<ぜひぜひ。僕はNHKのドラマになるのが夢でした>って。

それで提案しようとしたんです。NHKに。
そしたら個人からは受け付けないんですって。どうしよう。と思って。
エミー賞に入賞した「坂の上の雲」の監督.佐藤幹夫さんに、お目にかかる機会があり、<私、これをドラマにして脚本を書きたいんです>って相談してみたんです。
それで、佐藤幹夫さんが監督で、葉山真理が脚本ということで、小説.鴨川食堂の中から、8話を選びだし、筋書きも入れて企画提案書を何度か書き直したりして、テレビ制作会社の協力もいただきNHKに企画提案を出すことができたんです。

初回の提案では100近くあるドラマ企画提案から最後の4つにまで残り、一応、有力候補だったようですが、NHKからのご要望をこちらが飲めなかったため初回提案は落ちてしまったんです。
駄目かと、あきらめかけていたら、もったいないから、もう一度、企画内容を少し変えて提案をだしなおしてみたらと言ってくださった方がいて。
変更内容を原作者の柏井壽さんにご相談し、許可をいただき、女性主役での企画提案に書き変えて、次のコンペに再度、ださせていただいたんです。

それで最後の2つにまで残って。
そして、母の誕生日に<選ばれました!>と連絡が入ったんです。あれは、母への誕生日プレゼントになりました。

_______たまたま、真理さんが原作者の柏井さんを知っていて、彼の原稿にブックフェアで、たまたま出会って。
たまたまが重なったんですね。何かすごい縁を感じます。

雑誌dancyuの巻頭エッセイを何度か書かかせていただきました。
冬の京都特集で祇園丸山を取材させていただいて記事を書いたり、日本の紅茶の取材をして巻頭に書かせていただいたり。
その時は作詞家として取材させていただきましたが、他の取材で、たまた京都に行ったときに編集長やカメラマンと、お食事でもしましょうということになって。
そこで<歯医者さんで、食の原稿などを書いている方>と、柏井さんを紹介していただいて。

_______柏井さんとも、たまたまの出会い。
私、dancyuの大フアンで、ずいぶん前から毎号買っているんです。

真理さんとは、最近お会いしたけれど、実は知らないで、真理さんのエッセイを読んでいたんですね。
これも、たまたま!

(写真:真理さん作詞の作品)

■たまたまは偶然ではない。人との出会いで新しいことが始まっていく。

_______真理さんのスタートは作詞家だったんですか?

いいえ。
最初は建築やインテリア住居デザイン専攻で、3年生21歳の時に、優秀な友人と組んだ作品が、建築家の登竜門と言われるコンペで、たまたま2位を受賞。
卒業してから、某インテリア事務所で仕事をはじめたんです。
その事務所の隣が、有名な女優さんたちがいらしたプロダクションで。

その方が急に<ご趣味は何ですか?>と聞いてこられたんです。
えっ趣味?と思ったんですけれど、私、思い浮かんだ詩をメモしたりしていて。
それで、趣味は詩を書くことかしら、とお話ししたら、<どんな詩を書くの?>と聞かれ、たまたまその時、詩を書いたノートを持っていたので、こんなのです、とお見せしたら、<ちょっとこれ、貸しておいてください>って持っていかれたんですね。

そしたら、渡したメモの中から1つが歌手のレコードになることになり、えっ!?本当ですか。って感じでした。
そのレコード会社のディレクターが、コマーシャル会社のディレクターをご紹介してくださって、<コマーシャルの作詞も書けば?>というお話になって。

インテリア事務所に、頻繁にCMの作詞依頼の電話がかかってくるようになりまして。
<葉山先生いらっしゃいますか?>って。
その電話をいつもは電話にでない社長が、たまたまとるんですよ。
その、たまたまが何回か重なり…。

<あのね。ここは僕の会社で、君の事務所じゃない!>と言われ、それはそうよね。
すみませんと謝ったら、「きっと、やれると思うから、やってみたら?」と。
クビを言い渡されまして。(笑)
でも、だめなら、いつでも戻ってこい。と言ってくださり。

前にお会いしたら、<まだ戻って来ないのか?>とか言われて。(笑)

自分の心の発露をぽろぽろとノートに書いていただけなんですけれど、人生は、たまたまの出会いで、思いもしない展開になるもんですね。

(写真:真理さん作詞のiichikoCMソング)

_______インテリアデザインも、自然のものとか、様々なインスピレーションを目に見える形にデザインというグラフィックにしていきますよね。
作詞も同じ感じですか?

私は、建築もインテリアデザインも作詞も、<表現する>ということでは同じかなって、思っているんです。
デザインは目的に合わせて表現するし、作詞は、歌う人や音、企画に合わせて表現する。

作詞だけで食べられるかどうかわからなかったので、どうしようかと思ったんですけれど。
コマーシャル会社からも依頼くるようになり、なんとかなって。子供や動物をイメージして書いた詩は、NHKのこどもの歌や、動物シリーズの歌になりました。

 いいちこのコマーシャルソングは、大人の恋愛をテーマに、約20年ほど書かせていただいてました。
友人の話や、恋愛小説からインスピレーションを受けたり、映画を見てイメージして書いたり。

_______大人の恋心、純粋な子供の心の内や驚き。
大人になると、それぞれが別のように感じられて。
こどものころは無邪気でいられたのに。。。なんて、ちょっとハスに構えた感じになってきて。
真理さんは、本当に無邪気で素敵だなと感じていたんです。
素敵な曲が流れてきて、踊りたくなっちゃったら踊っちゃうし、歌いたくなっちゃったら歌っちゃう。
無邪気って、ほんとぅに素敵。
<たまたま>ということも、無邪気だからすんなり受け入れられる感じがします。

ありがとうございます。
大人であっても、無邪気ではいたいなと。
今日は今日しかないのだし、人間の一生は、長生きしても、たかだか齢100年ちょっと。
まるで星のまたたきのようなもの。今日は大事な一日で、一期一会、楽しまなくちゃと日々、思っています。

歳を重ねるごとに、つまらないなってことが少なくって。最近は、とるに足らない小さなことも楽しくって。
この歳になると、嫌な人と会う時間はないと思っています。
ご縁で繋がった人を大事にしたいですね。

_______本当にびっくりするほどつながってる。
初めて出会った人なのに、共通の知人がいたり。
出会いがあって、新しいことに興味が湧いてきたり、今まで考えていたこととは違った風に考えられるようになったり。
固まった思考がもみほぐされて柔軟になったり。
出会いって、なにか、自分の小さな、固まった思考をもみほぐして、寛容にしてくれるような気がしています。

出会いがなければ、新しいことも始まらなくて。みんな繋がっていて、
本当に、今あるのは、お人のおかげ。

鴨川食堂の原稿に出会ったことも、写真家が、本のイベントがあるから行かない?って。
<うん、行く行く!>って。
そしたら柏井壽さんの発売前の原稿があって。それがドラマになって…。

(写真:真理さんが脚本を手がけたオペラ物語 ブリリアント.モーツアルト 小説)

_______真理さんの詩がNHKのこどものうたになって、ちょっと大人びた恋愛の詩がいいちこのコマーシャルになって。
真理さん、もう一つ、モーツアルトという大作も手がけていらっしゃいますね。

私、能が好きで、よく能を見にいっていたのです。
そしたら観世流の家元の事務局長が、若者たちに向け新しい切り口のプロジェクトをはじめるから家元の観世清和さんと対談をしてほしいと言われて、それで舞台の上で対談をさせていただいたんですね。

 そしたら、それを たまたま見にいらしていた某有名新聞社の文化局の方が、なぜか、私にオペラの脚本をお願いしたいと、能の事務局に連絡をくださって。

私、オペラの脚本なんて書いていたこともなくて。どうしようと思いました。
指揮者の井上道義さんが、48th大阪国際フェスティバルの指揮者(1thはカラヤン氏、2thは小澤征爾氏)に選ばれ、モーツアルトの生誕250周年のオペラ劇をやるので、その脚本を書いてほしいと言われて。
オペラの脚本なんて書いたことはないし、皆様に、ご迷惑かけるといけないから断ってくださいと文化局の方にお話したら、ならば、ご自分で指揮者に断ってくださいって。えっ?私が自分で断るんですかって…。(笑)

それで、「オペラの脚本を書いたことがないので、お声かけていただき感謝ですが、ご迷惑はかけたくないので」と、井上さんのお宅まで、文化局の方に伴われて、お断りに伺ったんですよ。
そしたら、井上道義さんは、
<誰でも、初めてというのが、あるんだよ。いいじゃない、やれば!>って。
<僕が責任を持ちますから。>って言われて。

え~?って。
そこまで言っていただけるなら、わかりましたっていって、彼とキャッチボールをしながら、はじめることに。
家に帰って書き始めてみると、ぱーっと出だしのイメージが出てきたんです。
そうだ、出だしは、サリエリが天国から落ちてくるところからにしようって…。

お亡くなりになられてしまい本当に残念ですが、平幹二朗さんがサリエリ役をやってくださることになって、煙幕を張ったところに、平さんが<あいてててて。。>って落ちてくるところからにしようって。
書き出したら、すごく面白くなって。
モーツァルトのほうは、現世に降りて来られなくなったことにして、彼の天国からの言葉は、変換器がこわれた設定にして、バイオリニストにキーコキーコと表現してもらおうとか。(笑)

オペラのチケットが売れなかったらどうしよう…。脂汗がでる感じって、わかります?
300人くらいのホールだと思っていたら、大阪フェスティバルホールは、2800人収容の大ホールで。
前の日に、チケットの売り上げを聞いたら、まだ半分しかチケットが売れてないと言われて。
ああ、私のせいだと本当に胃が痛くなっちゃいました。
でも次の日は、某新聞が一面広告をだしてくれて、頼んでいた人数分の席がなくなるくらい満席になり、本当にありがたかった。

_______例えば、ダンテの神曲は叙事詩で、オペラにもなっています。
作詞家が脚本を書くという真理さんがオペラの脚本を書いたことが、何か、ダンテの神曲をプッチーニが新しいオペラに踏み出そうと考えたときに手にした原作であったことが重なる感じです。

ありがとうございます。
オペラ劇は、モーツアルトの世界的権威の海老澤敏先生が監修をされました。
そしたら、海老澤先生からモーツァルトの本を書きませんかってお話いただいて。
モーツアルトの専門家じゃないから書けないってお話ししたのですが、一人でおやんなさいって言われまして、でもモーツァルト図鑑は先生との共著になったんです。(笑)

そしたら今度は、NHKから「毎日モーツアルト」の本をだすことになったので、モーツァルトの小説を書いてくれないかというお話があって。
それをモーツアルトの生まれ変わりの能役者が主人公という設定で書いたんですね。
NHK出版からはOKがでたんですが、番組サイドの方から、モーツァルトなのに、なんで能役者なんですか?と言われて、不本意ながら、その部分を大幅カットすることになり。
ページ数は減らせないから、イラスト入れたり、最初のほうに資料の写真を入れてもらったりして、なんとか発売日に間に合いました。(笑)

_______最初はインテリアデザイン、次に作詞、放送作家、化粧品のコピーライター、オペラの脚本になって、小説になって、NHKのドラマの脚本になってという流れ。
真理さんの新しいスタートには、なんともゴージャスな出会いが、さりげなく出てきます。

みんな繋がっているますね、糸で。
ある人とは短くつながっていたり、ある人とは長くつながっていたり、ある人とはからまっちゃったりして。(笑)

_______数年前に、ピアニストで作詞、作曲家の秦万里子さんと対談をしたことがあったんです。
その時に、秦さんが、私の曲を即興で作ってくださって。
<内藤さんは地球と人と宝石を繋げる糸みたいな人>という歌詞で。
すごく嬉しかったんです。

宝石って面白いですよね。
哀しい時に身に着けると元気にしてくれたり、疲れているときに心を癒してくれる感じがあったり。
宝石は生きている感じがします。

_______生きている、まさにです。
かつては、宝石や鉱物は1種の生命体で、地中で遠大な時間をかけ、惑星の光を養分としながらて育っていくと考えらていたんです。
ルネサンス時代に、貴族たちは護符としていたとか。
今日も真理さん、ベーネの<宇宙>がテーマのジュエリーを着けてくださって、すごくかっこいい!
真理さんのみずみずしさが、さらに引き立つ感じです。

<糸>
真理さんのインタビューで何度も出てきた言葉<たまたま>。
普段使い慣れた言葉なのに、今日ほど、この言葉が美しく自然に感じたことがありません。

<たまたまは偶然ではない。>

真理さんのこの言葉は、真理さんの透明感に満ちた立ち居振る舞い、その内側にぴんと存在する芯に満ちあふれている。
何か目標を持ってがむしゃらに頑張るとか、目的に向かって準備するといった時代の流れの中で、なんとも豊かで自然。
毎日が、たまたま起こる出会いにとって、静かな準備なのだと感じています。
毎日を大切にしていこう。
真理さんのような大人になるぞ!

葉山真理(はやままり)
横浜生まれ・横浜育ち。
作詞家・放送作家・脚本家
日本音楽著作権協会(JASRAC正会員)
日本作詞家協会 正会員
日本脚本家連盟 正会員
日本放送作家協会 正会員
非営利活動法人 亜細亜文化藝術交流基金会常任理事

葉山真理(はやままり) 横浜生まれ・横浜育ち。
作詞家・放送作家・脚本家 日本音楽著作権協会(JASRAC正会員)
日本作詞家協会 正会員
日本脚本家連盟 正会員
日本放送作家協会 正会員
非営利活動法人 亜細亜文化藝術交流基金会常任理事

資生堂やキューピーマヨネーズのコピーライターを経て、NHKこどもの歌やCMや歌手に作詞提供、放送番組の企画構成・脚本。 焼酎iichikoのCM作詞を約20年間手掛ける。
2016年桑沢プレミアム賞受賞。
48th大阪国際フェスティバル井上道義指揮・オペラ物語「ブリリアント・モーツアルト」脚本担当。
NHK毎日モーツアルトNHK出版・モーツアルトの短編小説「永遠のモーツアルト」執筆。
世界的モーツアルトの大家・海老澤敏先生と共著にてモーツアルトの辞典ともいえる「図解モーツアルト」執筆。
PHP(100万部)の巻頭にポエムを約2年間掲載。
BSフジ開局8周年記念番組「神々の大地」脚本・詩担当。
2008年5月バチカンより招待されローマ法王に謁見。
プランタン日本オープンの時には、日本一号店になるアンジェリーナや食品店舗の企画・コーディネートを手掛け、お台場ビーナスフォートの企画リーシングではアメリカなどを視察し、そのエッセンスを取り入れたチーズとワインショップを合体させた店などを企画提案。
チーズ輸入代理店、ワイン輸入商とのコラボショップを実現させた。
現在、新しいドラマの企画中。
エイベックス.リズムゾーンに作詞メンバーとして参加中。

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