伝統の「彫り」を今に伝える
タガネと呼ばれる鋼で出来た工具を使い、地金に彫りを入れていく技術のことを彫金といいます。
彫金には、日本で伝統的に伝えられてきた和彫りと、イタリアから世界中に広まった洋彫りがあります。
和彫りのルーツは弥生時代といわれ、神社仏閣や仏具の装飾を施す技術として受け継がれてきました。江戸時代にはかんざしや帯留め、刀の装飾として、和彫りの技術が花開きました。
それに対して洋彫りは、イタリアの伝統的な技法が世界の各地に伝わり、その地の文化に合った発展を遂げてきた技法です。
和彫りと洋彫りの違いって?
タガネを小さな金槌で叩きながら、手前に掘り進めていく和彫りは、洋彫りに比べて線が深くはっきりと刻まれ、太さの強弱や勢いを感じます。地金を叩くたびに輝く面が生まれ、陰影を感じる仕上がりになります。
タガネを彫刻刀のように使い、手の力だけで彫り込んでいく洋彫りは、繊細な線を得意とし、細かな模様を生み出すことに長けています。細かく打ち込んでいく和彫りと違い、一気に大きな面を削るため、シャープな輝きが生まれます。
どちらも古くからの伝統を受け継ぎながら、今に伝えられてきた素晴らしい技術です。
和彫りも洋彫りも極めることで、表現できる世界観がある
和彫りにも洋彫りにも、それぞれ得意とする表現があるため、どんな仕上がりを希望するかによって、使い分ける必要があります。
和彫りと洋彫りでは工法の違いだけでなく、使う道具も違います。
なので普通は和彫りか洋彫りか、どちらかの専門となります。
イタリアンジュエリーのような仕上がりを期待していたのに、何だかイメージが違ってしまった!
なんていう事がありますが、和彫りを得意とする職人が手がけたとしたら、そうなってしまうのは当然の事といえるのです。
和彫り、洋彫りの両方を極めることで、より多彩で複雑な表現をすることが可能になります。
伝統の技を目の前で実演
今回、ベーネ銀座サロンで彫りの実演をしてくださるのは、和彫りと洋彫り、両方の技術に長けた熟練の職人、川口和寿氏。
和彫りの良さも、洋彫りの良さも生かしながら、独自の技を駆使し、最高の細工を生み出します。
目の前で繊細な模様が描かれていく様子を、間近でご覧いただける貴重な機会となっています。
ぜひ気軽にお立ち寄りください。
その場でご相談しながら、お好みの彫りを入れたジュエリーをオーダーしていただける他、お持ちのジュエリーに彫りを入れるプチリフォームも承っています。
イメージに近い画像などご用意いただくと、話がスムーズに進みます。お気軽にご相談ください。
伝統に培われた美の世界「彫り」実演会
日時:7月28日(日)11:00〜17:00
場所:ベーネ銀座サロン
ご希望のお客様には、彫りの作業を体験していただく事ができます。
【彫刻職人 川口和寿 プロフィール】
1965年山梨県生まれ
高校卒業後 有限会社アートスエキ 末木重実師事の元 修行
昭和63年6月 川口工房として独立開業
山梨県中央市に工房を構え 石留め 彫刻専門職として 35年の職人歴をもつ。
彫刻に関しては 和彫り 洋彫りの良い所を独自に開拓し、数々の作品を手掛ける。伝統工芸の技を後世に伝えるべく、日々技術の研鑽に努めている。
型を使い、彫りを入れたように作られた量産のジュエリーも多くありますが、やはり伝統の技は違います。
細部までこだわりながら、全て手作業で彫られていく、その仕上がりの際立った美しさ。一生物のジュエリーにふさわしい品格が漂います。
熟練の技に触れるチャンス、お見逃しなく!
ご来店お待ちしております。
お問い合わせはこちらまで、お気軽にどうぞ。
電話:03-5565-0750
メール:info@bene-bene.com
(デザイナー 本橋)
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