約2万5千年前にさかのぼる旧石器時代のドイツ遺跡から発掘された珊瑚。
日本では仏教伝来とともに7~8世紀ころ、シルクロードを渡った珊瑚が天武天皇に献上され、正倉院には聖武天皇、光明皇后がなら東大寺大仏開眼の折に身につけたといわれる冠に施された珊瑚が保存されています。
また、ギリシャ神話では天馬ペガサスに乗った英雄ペルセウスが切り落としたメデューサの首を持って空を飛んだ時に、メデューサの首から流れ落ちた血が海草に触れて真っ赤なサンゴに姿を変えたと伝えられています。
そのためか、昔からヨーロッパでは赤サンゴは魔除けとして珍重されてきました。

中でも、<血赤珊瑚>と呼ばれる珊瑚は日本でも古くからお守りとして大切にされてきました。
赤色には、神社の鳥居の色から見てもわかるように「厄除け」「魔除け」の意味があります。

血赤珊瑚は密度が高く透明感があり、珊瑚の中でも特に稀少。
真珠と同じように、顔が映るほどのテリが最大の特徴。
<血赤>に明確な色の規定はなく、 深紅でなくても血赤珊瑚の原木から採取されたものは血赤として流通しますが ベーネでは独自の基準を設け、深い赤色、朱色の混じらない濃い色のものだけを 明確に分けて血赤珊瑚としています。
1901年に高知県土佐沖で採取される血赤珊瑚はヨーロッパで採取されるものよりこっくりと深い赤を持ちトサ珊瑚と呼ばれるようになりました。

今から200年ほど前、明治以降に土佐沖で珊瑚漁が始まると、地中海産よりも大きく、赤色や桃色が鮮やかな珊瑚が採取され、あっというまにヨーロッパで評判に。
珊瑚の種類の中では最も大きく成長すると言われていますが、その枝が1センチ伸びるのに数十年かかると言われています。

深海珊瑚は、その名の通り水深1,000メートルを超える深海に生息しています。
水揚げされるときの水圧でひびが入ることも多く、宝石加工することが難しい珊瑚でもあります。
宝石言葉は<確実な成長><聡明><幸福><長寿>。
長い年月をかけて育つことから、強い生命力を象徴し、健康と長寿のお守りとして用いられてきました。
結婚や子宝、出産などのお守りとしても広く知られています。
自由に枝を伸ばす珊瑚のように、のびのびと強く育ってほしいという願いをこめて、ヨーロッパでは母から子に珊瑚を贈る習慣があるとか。

イタリアのサルジニア諸島沖で採取されるサルジサンゴ。
赤ちゃんのほっぺのような柔らかく艶やかな発色を持つエンジェルスキンと呼ばれる発色の珊瑚は日本では採取されず、イタリアからの輸入です。
1つは持っていたいアミュレットストーンですね。
(ベーネ銀座サロン 内藤)
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