私がジュエリーに求めてやまないもの<記憶の継承>。
昔のアルバムを引っ張り出してくる。懐かしい。
セピア色に変色したアルバムには、様々な思い出が凝縮している。
その時の自分の価値観が何であったか、写真を見ていると思い出してくる。つたなかったり、若々しかったり、背伸びしていたり、底抜けに楽しかったり。
自分の忘れてしまった過去の記憶を、忘れずに残しているのがアルバムなんだ。
そんなアルバムを見ていると、やっぱり人って唯一無二なんだと、しみじみ感じます。
似ているものなど無いし、ましてや同じものなど絶対無い。
サロンで皆様にご提案させていただいているジュエリー。
それは、それが「唯一無二である」ことを大切にしています。
地球の記憶を持った鉱物は、人の手により磨かれ、カットされ、美しい輝きを再び得る。
わずか100年に満たないであろう人生の中で、何千年、何万年という時間を知る宝石を身に着けることの神秘。
地球と人と私のコラボレーション。
記憶の継承。
ベーネ銀座サロンで私がずっと大切に皆様にお伝えしたいこと。
それは、ジュエリーが記憶を継承するものだということ。
アルバムみたいに。
地球の記憶を持った宝石を、心の琴線をかき鳴らすままに選び、それをジュエリーにする。
今、何が大切なのか。
なぜ、この色に心ときめくのか。
なぜ、このデザインが呼吸を早めるほどどきどきさせるのか。
そんな気持ちが全部、ジュエリーに込められる。
そして、出来上がったジュエリーを身に着けて、たくさんの時間を共に過ごす。
そうすると、そのジュエリーと共にたくさんの記憶が残されていくと思うのです。
長女の就職が決まり、お祝いにトンボのモチーフネックレスを贈った。
<勝ち虫>と言われるトンボが配された甲州印田のブックカバーを30年前、私は母からもらった。就職が決まったお祝いに。
それを思い出し、トンボのジュエリーを選んだ。
小さなトンボのネックレスは、私の記憶を継承し、彼女とこれからの大切な時間を共にする。
サロンのオーダージュエリーは、ちょっと敷居が高い感じがする。
でも、実際はそんなことはない。
みなさん、ざっくばらんに好きな石を選んで、デザインを決めて楽しい時間をすごしていらっしゃる。
ここでの価値は、高い品質だとか、希少性だとか、財産価値だとかではなくって、
<この色が好き!!><このカットが不思議で素敵!><こんな色が似合う!>とか。
今の自分の心をわくわくさせる石を選んで、30年後の自分をイメージできるデザインにセットする。
身につけている間、ずっと心を鼓舞し続けることのできるジュエリーができあがる瞬間。
私は、唯一無二のジュエリーをサロンで皆様にご案内したい。
それは高価なものでなくても、価値の高いものだから。
価値の高さは、自身のプライドの高さだから。
7,800円のピアスにだって手を抜かない。
じっくり自分で石を選んでみる。
同じペリドットだって、自分自身がどの光に、どの色にときめくか知りたいでしょう?
サロンで過ごす時間が、皆様にとって、心のときめきを知る時間でありますように。
内藤千恵
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