<手元にデザインが古くなってしまったジュエリーがいくつかあるのだけれど、下取りしたい>と、Y様からご相談をいただきました。
サロンに、お持ちいただいたのは9個のジュエリー。
リング、ペンダント、ピアスと、様々。
けれど、その1つ1つには、素敵な思い出がつまっている。
<これはね、学生時代、初めて買ったピアス>
<これは、夫から最初に海外出張のお土産でもらったリング>、などなど。
そのジュエリーがY様の手元に来たときの様々なエピソードをお話しする時間。
それだったら、全部、石を外して、ミックスして1つのジュエリーを作らない?
一生、そのたくさんの思い出をアルバムみたいに閉じ込めておけるもの。
そんな私の提案で出来上がった1つのペンダント。
題して<心の中の宝石箱>。
ルビー、エメラルド、ブリリアントカットダイヤ、バゲットダイヤ。
重ねた年齢にきちんと見合う、シンプルなラインだけれど、華やかさときちんと感が溢れるデザインになりました。
縦長のシルエットは首周りを細く、コンシャスに見せる。
どんなに厚地のジャケットやセーターに合わせても、きちりと美しく輝く。
サイドから見たとき、石枠が2つと同じ高さにならないよう、高低差をつける。
これは、少ない接点で、石の輝きを際立たせるために、非常に優秀な技術。
けれど、繊細さだけでは、永久の美を誇るジュエリーの耐久性に問題が出てしまう。
だから、裏側にはしっかりと地金を施し、強さを出してる。
フルオーダーのジュエリーは、とても高額なものになりがちだけれど、自社工房作成、自社デザイナーによるデザインだから、
ちょっと背伸びの価格でお作りさせていただいている。
世界でたった1つの、Y様だけのジュエリーは、たくさんの思い出とともに次の時代で、さらに輝きを増すことになる。
(サロン 内藤)
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