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ベーネユナイテッド会長 水村とアレキサンドライトの出会い
今日はカラーチェンジが特徴の希少石アレキサンドライトの話。
私が初めてアレキサンドライトに出会ったのは20歳の時。
1979年のアメリカのツーソンフェアーでした。
今までトルマリン等の単色の宝石しか見たことがなかったのですが、
アレキサンドライトの、その神様のいたずらとしかいいようがない変色性にとりこになってしまいました。
私のブラジルの友達は、昼間の太陽光線の下で初めその石をみせてくれました。
それはすばらしいほど照りのある深い蒼い緑も含む照りを持ってて、
そしてそのあともう一回、同じ石を見せてくれるというのです。
食事の後バーに行き、周りが暗い中でスポットライトの下で見た瞬間、
私は自分の目を疑ったことを、はっきりと覚えています。
それは、信じられない光景。先ほどの石が、真っ赤に変色をしていたのです。
マジックのように彼がその石をすりかえたのだと思い、
そのまま私はその石をホテルに持ち帰りました。
朝起きて朝日の下で見たとき、
それは、その前の日の昼間見たすばらしい蒼緑に変わっていたのです。
まさに夜と昼の顔を持つジキルとハイドのように私をあざ笑うように。
そのまま私は彼の元に行き、是非買いたい旨を告げたのですが、
彼は笑うばかりで手のひらにもうひとつの石を持っていました。
なんと同じ種類のアレキサンドライトのキャッツアイ。
5キャラットほどはあったであろうか、
みごとにまさに猫の目のように鮮明なキャッツアイ効果をもつ蒼緑のカボションカットの宝石。
そしてペンライトの下では、手のひらの上でで赤と青が交互に入り混じり
アリゾナの太陽の下で照り輝いていました。
その夜同じバーに行き彼からブラジル産のアレキサンドライトの話を聞きました。
アレキサンドライトの名前の由来はロマノフ王朝ロシア皇帝の皇太子アレキサンドル2世による。
その後ロシア ウラル山脈の鉱山は枯渇しブラジルのヘマチタ鉱山に主な産地が移る、
1988年に採掘を始めたと言っていました。
その後インドの業者にも見せてもらったけれど、ブラジル産の比ではない。
今では1キャット以上のものは非常に貴重で、
高品質のものは高値で取引をされています。
また硬度も8.5と申し分なく耐久性も十分。
ベーネで人気のアレキサンドライトは、私の長い親交から、
トップクラスのクオリティーのみを取り扱うエメラルドマイン社から
直接バイイングをしています。
あの、アリゾナでの30年前にみたカラーチェンジする、
あの発色こそがアレキサンドライトだと思うのです。
カラーチェンジが魅力の希少石アレキサンドライトって、どんな宝石?
アレキサンドライト(alexandrite)
希少石アレキサンドライトはクリソベリルという宝石の一種です。
1830年にロシアでエメラルドを採掘していた鉱夫によって発見された
緑色から赤色へ変色する珍しい宝石アレキサンドライト。
発見された日が、ロマノフ王朝ロシアの皇太子アレクサンドル二世の誕生日であったことから
宮廷に献上され、アレキサンドライトという名がつけられました。
アレキサンドライトは自然光では青緑、
白熱光の下では、赤紫へと変わるカラーチェンジが特徴です。
このカラーチェンジがあるクリソベリルだけを区別してアレキサンドライトと呼びます。
一般に流通しているアレキサンドライトのほとんどが1ct未満のもので、1ct以上のものは大粒とされます。
3ct以上のものはほとんど目にすることがありません。
ミナスジェライスgoogleマップ
カラーチェンジが魅力の希少石アレキサンドライトって、どこで採れるの?
主な産出地に、ロシア、ブラジル、スリランカなどがあげられます。
最初に採掘されたのは、1830年のロシアのウラル鉱山で、
緑から赤へのカラーチェンジが美しい上質なものが産出しました。
その品質は、ブラジル産をしのぐとも言われていますが、
今ではほとんど掘りつくされたとされ、入手するのは非常に困難。
たとえ出会えたとしても、市場に出回っているものだけで非常に高価。
幻のロシアン・アレキサンドライトと言われています。
1987年に産出が始まり、現在最も高品質なものが産出すると言われているのが、
ブラジルのミナスジェライス州のアレキサンドライトです。
カラーチェンジがはっきりしていて、
インクルージョンが少なく、透明度が高いことが特徴です。
スリランカのアレキサンドライトは、大粒のものが取れることで有名ですが、
カラーチェンジが弱いのも特徴です。
カラーチェンジが魅力の希少石アレキサンドライトはなぜジュエリーとしておすすめなの?
アレキサンドライトは、真珠やムーンストーンとともに6月の誕生石とされています。
6月の誕生石アレキサンドライトとは?意味と歴史、言い伝えについて
アレキサンドライトの石言葉<秘めた想い>
産出量が少ない希少石のため、ジュエリーショップの店頭で見かけることの少ないアレキサンドライト。
ですが、四大宝石のダイヤモンド、ルビー、サファイア、エメラルドに加え、
五大宝石として扱われることもある宝石の代表格です。
モース硬度が8.5と比較的硬い宝石なので、普段使いのジュエリーにもおすすめです。
カラーチェンジというドラマチックでミステリアスな魅力にあふれた希少石アレキサンドライト。
ルースコレクターにも人気がありますが、せっかくなら身に着けられるジュエリーとしていろいろな場面で楽しんでください。
プロが教えるカラーチェンジが魅力の希少石アレキサンドライトの選び方とは?
アレキサンドライトを選ぶなら第一優先は、カラーチェンジの鮮烈さ。
なぜならば、カラーチェンジこそが希少石アレキサンドライトの特徴だからです。
自然光と白熱灯で見たときのカラーチェンジがハッキリとしたものを選びましょう。
アレキサンドライトの緑色は、緑と一言で言っても、黄みの緑から、青みの緑まで様々。
カラーチェンジを優先するなら自然光で見たときに青みの緑のものがおすすめです。
青みの緑のものの方がカラーチェンジがハッキリします。
宝石の専門家がおすすめするならば、
何といってもアレキサンドライトの特徴であるカラーチェンジが優先ですが、
他のポイントとしては、
「肉眼で確認できるインクルージョンの少ないもの」
「色が濃くても黒みのないもの」
がおすすめです。
(ジュエリーコンシェルジュ 二宮)
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