そもそも宝石の「非加熱」ってどういうものなの?
「これは非加熱だから高い」とか「非加熱でこの色は凄い」など、宝石の表記ではよく出てくる「非加熱」という言葉。
これは読んで字のごとく、宝石が地球上に出てきた後「加熱などの処理がされていない」ことを指します。
加熱処理しないまま美しい宝石はたくさんあり、ガーネット、オパール、ムーンストーン、スピネルなどがそうです。
非加熱のまま、とても美しく濃い発色を持つ宝石はとても珍しく稀少なため、人気を集めています。
宝石の「加熱」と「非加熱」の違いはなんでしょう?
ルビーやサファイアのように、加熱のものと非加熱のものが存在する宝石もあります。
地球のなしえなかった最後の一仕事を人間がする、それが加熱処理です。
地球のマグマの中にそのまま居続けて理想の色を持つものが非加熱の宝石。
ルビーやサファイアの原石が地上に出現したとき、その原石は色の濃淡を持ちます。
薄い色のルビーやサファイア原石は加熱処理をし、酸素を多く加えることでその発色は濃くなります。
その逆で、黒みを帯びた濃い色の原石は、酸素を減らし、窒素を加えて加熱することで明るい発色になります。
地球の表面に出現したルビーやサファイア原石は、地球のマグマが持つ熱を受けることができません。
そのために、地球のマグマの中にさらに数百年いたらこんな色になる、という加工を施します。
これが加熱加工です。
地球の地殻変動、鉱山を採掘する技術の発達により、地球の表層にルビー・サファイアの原石が現れたとき、地球のなしえなかった最後の一仕事を人の技術で施す。
私は、だから、この加熱加工をとってもロマン溢れるものだと感じています。
稀に非加熱で美しい発色を持ったルビー・サファイアが出現します。
それは、その理想的な美しい発色になるに十分な年月を地球のマグマの中で過ごした原石だからです。
よく、<加熱と非加熱では、どちらが価値がありますか?>
というご質問をいただきます。
その時に、私は必ず、こうお答えします。
「美しさ、それが宝石の大切な定義。だから、非加熱、加熱を問わず、美しいと感じるものが良いでしょう。」
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(ベーネ銀座サロンオーナー 内藤)
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