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2024.04.16

【月】モチーフの由来や歴史

# デザインルーツ

「女性らしさ」「女性の美しさ」「優しさ」を象徴する月モチーフ。

月は太古から、女性と結び付けられてきました。
ギリシャ神話では太陽や地球よりも前に、月そのものである女神エウリュノメが生まれたといいます。
エウリュノメは太陽や地球、星を産み、ゼウスなど神を産み出しました。

古代ギリシャだけでなく、古代オリエント、ローマ、インドなど、様々な地で月は女神にたとえられ、豊穣を司り、人類などあらゆる命を産む源として崇められてきました。
そうした由来から、月モチーフは女性らしさの象徴となり、母性を高める効果があるといわれるようになりました。

世界中のあらゆる文明で、月は信仰の対象

古代エジプトにおいて、天空神ホルスの右目(ラーの目)は太陽を象徴し、左目(ウジャトの目)は月を象徴していました。
ウジャトの目は、月が満ちるように「失ったものを回復させる」という意味合いを持っています。
そのため、装身具のモチーフにされたり、ミイラを納める棺に描かれたりしていました。
その他にも、世界中のあらゆる文明で、月は信仰の対象とされてきました。

月は日本でも古代から人気のモチーフ

移ろいゆくものに美意識を感じる日本人にとって、月は古くから特別なもの。
「花鳥風月」「雪月風花」「春花秋月」など、月は自然の美しい景色を代表するものであり続けてきたのです。
日々変化する月の姿に無常を感じ、月を眺め、歌に詠んできた古代の日本人。
月象紋(げっしょうもん)と呼ばれる着物の柄や工芸品の文様としても月を楽しんできました。

満月、半月、三日月、おぼろ月など様々な月の形が、秋の草花や兎と組み合わされ、着物の柄のモチーフとして現在まで引き継がれています。
家紋にも月をモチーフにしたものが多く見られます。
どこか奥ゆかしさを感じる月のモチーフは、日本の心に深く響くモチーフなのかもしれません。

ヴィクトリア時代後期は、月モチーフジュエリーが人気

ヴィクトリア時代後期(1886〜1901年頃)、ハレー彗星の接近などから、宇宙の神秘、天体に注目が集まり、月や星をモチーフにしたジュエリーが多くみられるようになりました。
イギリスやフランスでは、ダイヤモンドやオパール、真珠を使った、月モチーフのブローチが大流行。特に細い三日月の形が人気でした。
その後もずっと、月はジュエリーの人気モチーフになっています。

女性性を司るといわれる月モチーフのジュエリーはアミュレット

月のサイクルと月の満ち欠けには密接な関係があるといわれています。
約1カ月かけて12星座うをひとめぐりする各星座の性質を帯びた月は、私たちの心と身体に直接何かを語りかけてきます。
月は持ち主の知性や美しさを高めてくれるラッキーモチーフ。
心を落ち着かせてくれる効果もあるといいます。
だんだんと満ちていく様子から、成長や発展の象徴でもあります。
月モチーフの中でも、三日月は物事の始まりを意味する特別なもの。
三日月を見ると幸運に恵まれるいう言い伝えから、三日月モチーフは願いを叶えるお守りとされ、また病気や災いから守ってくれるといわれます。

月のイメージを宿す宝石

月の神秘的な輝きをそのまま内に秘めたムーンストーン、ラブラドライト。
古代インドでは聖職者が<月の光が封印されている聖なる石>として身に着けていたそう。
月モチーフのジュエリー、ムーンストーンをセットしたジュエリーは、素敵なアミュレットに。